ある人事担当者様の話によれば、調査対象者のうち履歴に一切虚偽がなかったのは5割にも満たないそうです。もちろん、業種によっても、大きく違うかと思われますが、なかなか無視できる数字ではないでしょう。特に雇用が流動化した現在は、社員が社内の機密を握ったまま同業他社を渡り歩くことも珍しいことではありません。それにも関わらず外資系を除く日本国内企業の採用担当者は、どうもこういう危機感をあまり持っていないように実感しています。
ある業種から持ち込まれた人事調査の依頼で、こんなケースがありました(意図的に記述は変えてあります)。その実績に期待して他企業から高待遇で迎え入れた若手社員が、どうやら更に別企業から引き抜かれた状態のまま自社で仕事しているらしいという話。ひどくややこしい話ですが、この業種なら確かにそれが可能と思って調査をしてみました。
調査の結果、依頼者側の機密情報が、ライバル会社に筒抜けの状態である事が判明、また、社内の一部の人間しか知らないはずの重要機密が持ち出されていた事実には、依頼者の方も、驚かれていました。
また、探偵社にも履歴情報を偽ったまま応募してくる人間が少なくありません。ある社員の場合、履歴書に記載されていた学歴・職歴および資格の一部がいずれも虚偽でした。信用調査と企業防衛で売り出している探偵社に虚偽申告で入社してくる訳ですから(簡単に嘘は発覚しますが)、ある意味「度胸」だけはあったのかもしれません。
探偵という業界の性格上、常に情報漏洩・スパイなどへの警戒は怠りません。常に自分自身を「企業防衛」している訳ですから、浮気調査と並んで探偵が個人信用調査や企業防衛に強いのも当然といえば当然のことなのです。 |